健康管理のため自宅で血圧を測定されている方は多いかと思います。その家庭での血圧測定は誤差が多いという研究結果がカナダでから発表されました。その発表によると家庭血圧計による測定値の69%で5mmHg以上の誤差があり、10mmHg以上の誤差も29%で認められたとのことです。
現在の高血圧治療ガイドラインでは「診察室血圧と家庭血圧の間に差がある場合、家庭血圧による診断を優先する」となっているので、あまり差があるのは好ましくありません。病院で測ると家での血圧より高くなるという人の中には医師や看護師を見ると緊張して血圧が高くなるという「白衣高血圧」の方もいるかと思いますが、大事なのは「正しく血圧を測ること」です。家庭で血圧を正しく測るためには以下のことに注意してください。
- 【朝の場合】
- 〇起床後1時間以内
- 〇排尿後
- 〇薬を飲む前
- 〇朝食前
- 〇血圧計の前に座って1~2分後
- 【夜の場合】
- 〇寝る前
- 〇入浴や飲酒の直後は避ける
- 〇血圧計の前に座って1~2分後
- 測定時に気をつけることは
- ●カフは心臓の位置に合わせます。
カフの位置が心臓より上だと血圧が低く、下だと血圧が高く測定されてしまいます。特に手首式の器械の時は中止してください。 - ●カフは指1本が入る位のキツさで巻きます。
カフの巻き方がきついと血圧は低く、ゆるいと高く測定されます。 - ●薄手のシャツまたはTシャツで測ります。
上着の袖をたくしあげると腕を圧迫して正確に測ることができません。 - ●測定は原則2回で、その平均値を記録する
初回の測定値は2回目以降よりも高いことが一般的です。1回のみの測定の場合には、1回のみの血圧値を、3回測定した場合には3回の平均を用いることもOKです。
血圧を測る場合には、「毎日決まった時間に、決まった条件で、正しい測り方で」測りましょう。
私が患者さんに聞かれた時には、「朝食を食べる前に食卓に着いた時に、深呼吸をしてから血圧を測り、記録してから食べましょう」と答えています。
(※大日本住友製薬ホームページより)