先日、朝食を抜くことが無症候性アテローム性動脈硬化症リスクの約75%増加した一方、全身性アテローム性動脈硬化症リスクについては2倍超となるという海外の報告がありました。日本でも朝食を食べない習慣の人は、食べる習慣の人よりも、男性の循環器疾患による死亡リスクと全死亡リスク、女性の全死亡リスクが有意に上昇することが報告されています。男性の循環器疾患による死亡リスクは1.42倍、全死亡リスクが1.43倍、女性の全死亡リスクは1.34倍とのことでした。
朝食を抜くことですぐに思い浮かぶのは、肥満との関係です。今までも若年者の朝食の欠食と肥満の関係はよく言われてきたことですが、実は高齢者においてもやはり肥満との関係があるようです。最近の国内の報告で、朝食欠食者は朝食摂取者より2.23倍肥満の確率が高かったことが示されました。朝食をとらない高齢者は食事の質も悪く、身体的活動も低かったとのことです。
結局は朝食をしっかり食べることが、しっかり活動すること、そして健康につながるということではないでしょうか?
また、朝食をとらない人は食物繊維の摂取量が少なかったそうです。食物繊維をとることが健康には非常に重要なことは皆さんご存知のとおりですが、なかなか思うように摂取できないことも多いかと思います。そこで朝食に全粒穀物をとるのはいかがでしょうか。たとえば、玄米や雑穀米、全粒粉のパンやシリアルなどです。全粒穀物の摂取は、心血管疾患、がん、呼吸器疾患・感染症・糖尿病・非心血管疾患や死亡リスクの低下と関連していることが報告されています。大腸がんに有効であることはよく言われており、1日3食とも全粒粉にした人の大腸がん発生の相対リスクは、おおよそ0.83倍でした。
全粒穀物や果物を含めた、食物繊維の多い健康的な朝食をとることが肥満を防ぎ、病気を防ぐことにつながります。もちろん、便秘にも有効なことは間違いありません。タイトルの格言は海外のものではありますが、いかに朝食が重要なものかをよく示していると思います。