院長コラム

2018.06.29

スギ花粉症に対する「舌下免疫療法」

皆さんは花粉症をお持ちでしょうか?アンケートでは日本人の4割には何らかの花粉症があるといわれています。その中でも圧倒的に多いのがスギ花粉に対する花粉症で7割を超えているといわれています。スギとヒノキの花粉症は合併することも多いため6月になってようやく症状が落ち着いた方も多いと思われます。

この度、毎年花粉症の季節に鼻や眼の症状で困っている方にひとつの朗報があります。それは、今回アレルゲン免疫療法と呼ばれる治療の薬剤の1つが発売されます。アレルゲン免疫療法とは、アレルギー疾患の原因であるアレルゲン(今回で言えばスギ花粉の成分)を少量から投与することで体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を治したり、長期にわたって症状をおさえる可能性のある治療法のことです。今までも液体を舌の下に滴下する薬剤はありましたが、今回発売となった薬剤は、舌の下に置く錠剤タイプの薬剤です。日本国内で初めて成人および小児などにおいて使用可能となった速溶性の舌下錠で、既に販売している液状タイプの薬剤よりも高力価の製剤であり、室温保存可能で、服薬のしやすさや利便性などを高めたことが特徴です。当院の患者さんで5月ごろから舌下免疫療法を希望されている患者さんもいらっしゃいましたが、服薬のしやすさを考えて今回の発売を待ってもらっています。スギ花粉舌下免疫療法の開始時期は決まり事があり毎年6/1〜11/30です。安全性に問題があるためそれ以外の時期の初回投与は行えません。花粉症を根本的に治療したい方はぜひご相談ください。この治療は、毎日行うこと、最低2年は続けることが必要ですが、そこまで続けなくても数ヶ月で効果が現れる方も多いです。大きな副作用はなく、口や喉の違和感などの軽度の副作用はありますが概して安全に行える治療法なので安心してください。またダニアレルギーに対しての舌下免疫療法も行っておりますのでそちらもご希望の方は相談してください。