大腸がんの予防について
先日のNHKの「ガッテン!」という番組で大腸がんの特集をしていました。結論から言うと、大腸ポリープを切除することで大腸がんは予防できるということでした。この意見には私も大いに賛成です。大腸がんは予防ができるがんだと考えていますし、実際にアメリカでも大腸内視鏡を行うことで大腸がんが激減しているという事実もあります。そのアメリカで大腸内視鏡検査を受けたくない理由が出ている記事をみかけました。
それは、
1.検査がつらいと聞いている
2.癌の家族歴がなければリスクは低く、 検診を受ける必要がないと思っている
3.検診が必要なのは、症状がある人だけだと思っている
4.検査費用が心配
5.検診のために仕事を休まなければならない、自宅から離れた施設に行かなければならない
というものでした。
概して日本ではアメリカに比べ検査の費用も高くありませんし、便潜血で陽性ならば保険で大腸内視鏡検査を受けることができます。また、当院では最新の機器を使うことで患者さんの体の負担を減らしたり、不安の強い方や以前検査を受けたときに痛みが強かった方には鎮静剤を用いての検査も行っていますので、「つらくない検査」を受けられると考えています。また、ポリープがあった際もその場で切除し日帰りできることがほとんどですので費用的な負担も少ないかと思います。「検査を受けた方がよいことは分かっているけれど・・・」と悩んでいるという方は一度ご相談ください。
ウイルスについて
少し前まではあまり秋を感じさせない気候でしたが、このところ急に気温が下がり、急に冬が近づいていることを実感させられるようになりました。気温が下がってくると、活発になるのがウイルスです。今年は小児の肺炎の原因にもなるRSウイルスが例年以上に流行していることがニュースになっていますが、そうなるとインフルエンザウイルスの流行も心配になります。
インフルエンザワクチンを打っても免疫がつくのは2週間はかかるので、流行期の前に予防接種を受けることをお勧めします。また、消化器でいうとノロウイルスの感染も心配になる季節です。とても感染力の強いウイルスですが、しっかりと手洗い・うがいをすることで十分に予防できるようになります。
どのウイルスに対しても、手洗い・うがいが一番有効な予防対策であることには間違いありません。
ノーベル医学・生理学賞について
今年のノーベル医学・生理学賞は東京工業大学栄誉教授である大隅良典先生が受賞されました。その研究内容は「オートファジー」についてということですが、恥ずかしながら、私自身不勉強でオートファジーのことは良く知りませんでした。
オートファジーは「細胞が持つ、自らの一部を分解して再利用するシステム」のことだそうです。この研究が注目されているのは、現在有効な治療がない疾患に対しての新しい切り口になるかもしれないということからです。そのひとつに「NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)」があります。脂肪の摂り過ぎによって、オートファジーを抑制するタンパク質が肝臓で増えると脂肪肝が悪化することが分かり、このたんぱく質の増加を抑える薬剤が開発されれば、非アルコール性脂肪肝(NASH)や肝癌の発症を抑えられるのではないかという発表もありました。
残念ながら、この薬剤が使えるようになるまではまだまだ時間がかかると思いますので、今年のドックなどで脂肪肝が指摘された方は、まずは減量に努めましょう。超音波検査や血液検査で脂肪肝やNASHの進行を調べることもできますので、心配な方はご相談ください。
無料駐車場・インフルエンザの予防について
10月1日から新たに、すぐ近くにあるリパークを無料で利用できることになりました。今までの駐車場より近くなりましたし、何より分かりやすいと思います。これからの季節、日がどんどん短くなることを考えると、より近くて明るい駐車場は高齢の患者さんにも安心感を与えられるのでは、と考えております。
また、これからの季節と言えば、インフルエンザが流行する季節でもあります。手洗い・うがいに勝る予防策はありませんが、予防接種も有効です。当院は去年はチメロサールフリー(水銀化合物抜き)のワクチンを注射し ていましたが、今年はそのワクチンがほとんど流通しません。その為、チメロサール入りのものを使わざるを得ないことをご理解ください。今年も当院では自費扱いの予防摂取のみ行います。市の助成は使用できませんのでご注意ください。3歳以上13歳未満の方は2回接種、13歳以上の方は1回接種が基本ですが、受験生の方のようにどうしてもインフルエンザにかかりたくない方には2回接種することも可能です。また、持病のある方、免疫力の低下している高齢の方には2回接種の方が効果が高いとも言われています。ご不明な点があればご相談ください。
便潜血について
現在では大腸がん検診として最も利用されているのが便潜血検査です。「精密検査が必要です」という結果を見て驚いたり心配する方も多いと思います。目で見ても分かるような血液が混じっていたらご本人も気づくことが多いでしょうから、ほとんどの方は「何の症状もないのに?」とか「たぶん痔のせいだろう」と思われることと思います。そのため、その結果をほうっておいて精密検査を受けない方もいらっしゃいます。実際、潜血陽性でも6割くらいの方しか医療機関を受診しないという報告もあります。しかしながら、それでは検診を受けた意味がありません。私はこれを機に絶対に大腸内視鏡検査を受けたほうが良いと思います。1つには、便潜血陽性の方の約5%に大腸がんの方が存在するということです。早期発見すれば場合により内視鏡で治療することも可能です。もう1つは、大腸ポリープの存在です。30-50%の方は大腸ポリープを持っているといわれ、その中には将来的に大腸がんになる可能性のあるポリープもあります。そのためアメリカでも積極的に大腸ポリープ切除を行っています。
当院では切除可能な大腸ポリープを発見した際には同時に切除し、入院の必要もありません。初めてで検査に対する不安の強い方、以前内視鏡検査でつらい思いをされた方には鎮静剤を用いた検査も行っております。ぜひご相談ください。また、痔からの出血とお考えの方には、痔の診断や治療方法に関しての相談も受けております。大腸に何か病気があるかもと悩むよりは、検査を受けることが皆様にとってもっとも良い結果につながると思います。不安な方はぜひ一度ご相談ください。
産業医の研修に行って参りました。
まだまだ暑い日が続きますが、皆様の体調はいかがでしょうか?私事ではありますが、先週からクリニックを休診にして産業医の研修に行って参りました。改めて勉強しなおしてみて感じたのは、予防の大事さです。禁煙をはじめとした、日常生活の見直しで色々な病気が未然に防げますし、何より、食事療法・運動療法には副作用がありません。毎日の努力が未来の健康な自分につながると考えて、できることを少しでいいからやってみましょう。何をやっていいかわからない方は、ぜひご相談ください。
また、この季節は夏の疲れも出てくる頃です。まだまだ熱中症に気をつけるのはもちろんのこと、食欲が落ちたり、体の疲れが抜けない方は相談してください。そういう時には漢方薬という手もあります。
それでも、やっぱり休養が一番です!!
自治体や企業の健診や人間ドックが始まっています
自治体や企業の健診や人間ドックが始まっていますが、検査結果でお困りのことがあれば当院にご相談ください。また、医療機関の受診を指示されていなくても、ご心配なことや気になることがあれば気軽にご相談ください。
この夏も猛暑が予想されています。熱中症にならないためにしっかりと水分補給をしてください。全身のだるさや食欲低下が見られる時は点滴が必要な場合があります。特に高齢の方は自覚症状が出にくいときもありますので、早めにクリニック・病院を受診してください。
海や川でのバーベーキューをする機会も増える季節です。食品の衛生管理にはお気をつけください。また、万一、食事後に嘔気・嘔吐・下痢が見られた場合は医療機関を受診してください。