生活習慣病
以前は“高血圧”や“糖尿病”は「成人病」と呼ばれていました。それは、これらの発症や進行には加齢による影響が大きいと思われていたからです。「成人病」の発症や進行には、加齢によるものが多いと考えられてきたのですが、今では生活習慣が大きく関与していることが明らかになっています。つまり、これらの病気は若いころからの食生活や運動、睡眠、喫煙、飲酒、ストレスなどの生活習慣と深い関係があることが分かってきました。乱れた生活習慣によって大人だけでなく、子どもにも「成人病」と同じような症状が起きることが増えたため、1996年(平成8年)に従来の成人病から「生活習慣病」と名称が変更されました。
代表的な生活習慣病
- 高血圧
- 糖尿病
- 脂質異常症
- 肥満
- がん
- 心疾患
- 脳卒中
- 肝臓病
- 高尿酸血症
- メタボリック症候群
右のグラフのように、日本人の死因のうち約6割を生活習慣病が占めています。しかし、今は、早期発見・治療によって、生活習慣病の発症・重症化を予防することが可能になっています。
当クリニックでは、専門である消化器のがんの早期発見・早期治療に加えて、“心疾患”“脳血管疾患”の予防を目的として“高血圧”“糖尿病””脂質異常症“をしっかり診療することで、皆様の健康寿命を延ばすことに貢献したいと考えています。
今日からでも不健康な生活習慣を改善し、生活習慣病をしっかりコントロールすることで、できる限り自分の力で生き生きとした生活を送れるよう頑張りましょう。
生活習慣病と動脈硬化
がんに次いで多い死因である心疾患や脳血管疾患といった生活習慣病は“動脈硬化”が要因となる病気です。“動脈硬化”とは、わかりやすくいえば血管の老化です。血管も年齢とともに傷つき、弱り、しなやかさも低下します。血液の通り道が狭くなったり、血栓ができてつまったりし、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中といった重大な病気を引き起こします。特に、お腹の周りの内臓に脂肪が蓄積した「内臓脂肪型肥満」に糖尿病、高血圧症、脂質異常症といった病気が複数重なると動脈硬化を進行させ、こうした命に関わる病気を急速に招く危険性が高まります。
このグラフからは動脈硬化は全死因の4分の1、つまり4人に1人は動脈硬化が原因で亡くなっているとも言えます。また、寝たきりの原因を見ると、4割が脳血管疾患や心臓病など動脈硬化が原因とされるものです。
この動脈硬化のいちばん恐ろしいところは「気づきにくい」ことです。心筋梗塞でも冠動脈がかなりせまくなっていてもほとんどの場合、自覚症状はありません。そのため、自覚症状が出たときはすでに重症化している人も多いのです。手遅れにならないように、ふだんから血管の状態をチェックすることが大切です。次のような方は要注意です。
- 血圧が高めの方
- たばこを吸う方
- 太り気味の方
- 最近寝不足の方
- ストレスの多い方
- 運動不足の方
- アルコールを週3日以上飲む方
- 魚より肉をよく食べる方
- 濃い味付けの好きな方
- 普段座っている仕事が多い方
動脈硬化の検査
当クリニックでは、動脈硬化の指標となる「動脈のかたさ」「動脈の詰まり」「血管年齢」などを調べることのできる検査を行っております。この検査では、あお向けに寝た状態で両腕・両足首の血圧と脈波を測定します。時間は5分程度で、血圧測定と同じ感覚でできる簡単な検査です。また、必要のある方に対しては頸動脈エコーも行うことが可能です。結果もすぐに出るので、その場で医師からの診断が受けられます。
気になる方はお気軽にご相談ください。